Human Resources

人材教育の現在に関して - Feb,9,2020-

極めて重要な観点は、人材教育の世界でよく使われる概念である「自律」「主体」「意識」「意志」「学習」「理念」「欲求」「能力」「気づき」。こういったものの一つひとつに対して、その本質を追究しようとせず、うわべの言葉だけが空回りしていることだ。「教育する側」と「される側」、もしくは「教育する側」同士で、じつは共通の認識がされていないまま、言葉遊び的試行が繰り返されている。その結果、「なんか良いことを教えたような気がする」「なんかタメになった気がする」という曖昧模糊としたカタルシスに双方が浸って終わっている。
それを象徴しているのが、企業研修での<満足度>という指標だ。学びの場はレストランではない。満足する/させるではなく、いかに自分で物事を考える契機になったか?が本来大事であって、満足度ではなく、むしろ、混乱の度合いが高いほど良い機会形成であると言える。現代はVUCAと言われるように、非常に変化が激しく、不確実で、「前例のない時代」といわれている。このような時代では、上司や先輩が経験したことが参考にならないということが往々にして起こりえる。そうであるならば、自分の頭でしっかり考え抜くことを学ばないかぎり、何を学ぼうと真の強さや自律性を得ることはできないのではないだろうか?